親愛なるYへ、
おげんき？
最近は石彫りをしたり、穴掘ったり、竹を植えようとしたりと、なにやら日本を作ろうとしている自分がここにおります。望郷の念、または年かな。裏の林に藁屋でもつくりましょうか。

脳浮症、ご存知？親父の脳に水が溜まってそれを手術で取るというのが先週。おかしくなっている親父はその後のMRIを拒否。どうもアルスハイマーの危険があるとか。
いつか行く道と思えども、悲しゅうございますなぁ。親父の歳まで後２５年程度。
最近思うよ、男の女より短命なのは、そう願っているんじゃなかろうかってね。酒、タバコ、健康に注意しても、ぼけはいつか来る。それなら、好きなことして、ころっと、、、とはいかんのだろう。

愚痴はそのくらいにして、しょうがなく、また帰国する。今年は三回目。もう破産です。一回に２０万はかかるからね。大きい仕事をふいにするとその二、三倍にはなるもんね。
今回はクリスマス前に。　いつまで、涌田におるんでしょうか？もっとも年末でいそがしいだろうな。
私は一月の三日までおります。正月と言えでも、年寄りの家、しょぼしょぼのおせちでござんしょうね。四日に福岡から東京。ちょっと前に死体事件のあったワシントンホテルに止まりまする。２４階には泊まりたくない。

たとえば、小野の廃屋を買って、そこに住む、、そのようなことをふと考えた。だれも来ないで、古い石灯籠のように苔むして、野垂れ死にもいいかもね。
後２５－３０年後うまいこと世に別れをせなぁな。

では、